噴水周辺にルミライトブロック・チップを設置することで、バクテリアや微生物が住みやす環境を作り自然浄化を促し、長期的な水質改善効果を発揮している

施工前

 池の水は、底泥(ヘドロ)に蓄積されたアオコの死骸、と落ち葉等の影響を受けフミンや水中の栄養塩類が多くなり富栄養化状態です。夏季になると水温の上昇によりアオコ発生とフミン酸により透明度がなくなってくると同時に水中溶存酸素も少なくなり、水中の生物環境には非常に厳しい状況であった。

底泥のヘドロ化が、水質劣化の重要要因となり、藻類の死骸が分解される時栄養塩類を溶出し水質劣化が進行すると思われます。この状態では、夏場のアオコ、アオミドロの突然の大量発生、そして極端の溶存酸素の低下により魚類など生物の大量死の原因になり、突然の悪臭発生が起こる可能性があった。長期的水質を改善するためには底質の改善が必要な状況でした。

ルミライト 施工

水質改善に瞬発効果のあるルミライトパウダーの散布を行い、有機物及び懸濁物質を凝集沈降させ水質をリセットさせます。
凝集沈降したパウダーは河床材となり底泥に被覆することで底泥からの栄養塩類、アンモニア、硫化水素などの悪臭原因物質の溶出を抑制し、底泥での分解バクテリアの活動のためにいい環境を提供することで水質維持の環境を整えます。

分解バクテリアの活動が促進させ、長期水質を安定させるためには酸素供給が重要な要素になるため、隣の西堀からの流水口と3つの噴水の下部の水流があるところに、チップとブロックを設置することで、酸素が生まれる水流を利用してより酸素を供給し、分解バクテリア生息のために快適な棲家(高度な多孔質を形成したルミライト)と吸着し続ける餌(有機物)を提供することで分解バクテリア繁殖活動の環境を築くことで、堀全体の水環境における善循環が動くことで長期的水質維持が起こります。
水が動くエリアではチップ状、ブロックは分解バクテリアの集合生息地になりバイオブロックとしての役割を果しています。

ルミライト 施工後

2018年の1年間の散布により、悪臭発生の抑制と難分解性有機物の分解が進行しアオコ発生は減少したが通常の雨水だけでなく、予想以上の雨により最も劣化負荷のかかる剛の池で発生した植物プランクトン、主に珪藻類が流入され、増殖により濁度の原因となっている。
外堀(西)において施行5ヶ月後、改善が進んでいることが確認できた。酸化還元電位の数値がプラスに転じ、好気的環境になり、弱酸性状態で底質中の黒色や臭いの原因である難分解性有機物が活発に分解することで強熱減量の値でわかる底泥中有機物も順調に26.8%から18.7%まで減少する。また底質中の全リンも増加しているのは、水中の全リンが減少し底泥からのリンの再溶出されていないことを示し、この底泥のリンは、水中植物、魚などの水中生物の栄養源となり、リンの善循環となり自然循環が行われます。